雑誌「チルチンびと」106号掲載 佐賀県 ㈱未来工房
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46和と洋を織り交ぜて 佐賀県佐賀市のとある住宅地。のんびりとした田園風景が見渡せる場所にE邸はある。瓦屋根に白漆喰の外壁は和風でもあるが、どことなく洋館のような雰囲気も感じられ、周辺の家とは趣が異なる印象だ。「外観にはこだわりがあって、和と洋、どちらの要素もほしいなと考えたら『大正ロマンだ!』ってなったんです」と朗らかに話すのは、建主である妹さん。お姉さん、お母さんとともに笑顔で出迎えてくれた。奥には猫がくつろぐ姿も見える。 家の中に足を踏み入れると、和洋折衷は外観だけでないことがわかる。「明治大正期の洋館をイメージした」という妹さんの言葉通り、現しとなった梁、床や腰板などの木部は落ち着いた色味に統一されている。引戸や欄間、窓には幾何学的な意匠のステンドグラスが入り、ウィリアム・モリスのクラシカルな壁紙が部分的に使われるなど、デザイン的なこだわりも。照明や家具の雰囲気も含め、空間全体にまとまりがある。 外観、内観ともにつくり込んであるE邸だが、最も大きな特徴は店舗や広々としたアトリエを併設1リビングからつづく和室の壁は大正モダンをイメージして赤に。 2玄関土間方向を見る。ステンドグラスの引戸奥が店舗コーナー。将来的には土間とつなげてイベントを行うことも検討中。 3和室横の縁側も壁紙やステンドグラスで洋館風の雰囲気。 4キッチンやリビングは色味やデザインを統一。造作したカウンター引き出しにも壁紙を貼るほどの徹底ぶり。 5・ 6食事はキッチン対面のカウンターでとる。この日の昼食はホットサンド。123

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