雑誌「チルチンびと」別冊38号掲載 ㈱未来工房
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 川下りで知られる柳川の外堀川を望むように佇むT邸。漆喰の白壁が美しいこのお宅は、どの部屋からも川の流れを楽しめるように設計されている。特に、川に大きくせり出したウッドデッキはアウトドアリビングとして機能。陽気のよい季節には、このデッキに出て、自然を感じながら食事をしたり、好きな焼酎を飲んだりして楽しんでいるという。 家づくりでTさんが求めたのは「和風の家」ではなく「和の家」。町家をイメージしながら、家全体のプロポーションから仕上げ、造作建具1枚に至るまで和のデザインにこだわったという。ユニークなのは畳敷きのダイニングだ。キッチンとはカウンターで接しているが、板張りの床との段差を生かして足を落としてカウンターに向かえるようになっている。和の暮らしの中にも合理性を追求した設計だ。窓の配置にもこだわった結果、やさしい川風が家全体を通り抜ける心地よい住まいとなっている。和のデザインにこだわった造作建具はすべてオリジナル。カルクウォールで仕上げた白壁が美しい。足を落としてカウンターに向かえるユニークな畳ダイニング。通り土間を彷佛させる細長い土間には、夫妻のサイクリング自転車をかけられる杉板の壁が。111

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