雑誌「チルチンびと」105号掲載 福岡県 ㈱未来工房
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未来工房の社員として、家づくりに携わってきた林善嗣さん。定年を機に、兼業農家の実家を手伝いつつ、ライフワークである家具づくりを再開した。その舞台となるのは、未来工房とともにつくりあげた、新たな住まいだ。写真=米谷 享 文=上野裕子福岡県福岡市 林邸  設計・施工=㈱未来工房山に抱かれ海を望む地で農ある暮らしを謳歌する1博多湾を望む地に建つ林邸。手前の段差の下には、駐車スペースなど多目的に使える広い敷地がある。 2庭でとれた梅の実を、林さんがベンチにそっと並べた。3山から家越しに海を見る。テラスから玄関まで、下屋がL字型に続いている。 4対岸には志賀島が見える。 5テラスで自作のベンチに座って休憩。博多湾を望む立地を生かした景色と一体になるプラン 林さんの家が建つのは、博多湾を望む高台の地。「祖父の代に購入した土地で、父の代にはミカンをつくっていました。そこに15年ほど前に、家具工房を建てたのです」(林さん)。エンジニアだった林さんは、40代で家具職人をめざして脱サラ。自分で建てた工房で家具づくりをしていたが、好きなものをつくっていても生計を立てることは厳しく、一旦廃業を決意。。そこで勤めたのが、地域に根ざし、自然素材の家づくりを行う工務店・未来工房だった。「木にかかわる仕事がしたいと考え、応募しました。お客さまの家づくりのお手伝いをするのはとても楽しく、気づいたら定年間近になっていました。数年前に妻を亡くしたこともあ186

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