雑誌「チルチンびと」100号掲載 福岡県 ㈱未来工房
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所在地:福岡県久留米市 津福本町834-4敷地面積:978.74㎡延床面積:201.44㎡ (1階114.90㎡ 2階86.54㎡)竣工:2018年2月 (工期2017年8月~2018年2月)設計:㈱【未来工房】 (担当:片多和也)施工:㈱【未来工房】 (現場監督:樋口 諭   大工棟梁:山道研二郞)構造形式:木造軸組工法主な外部仕上げ: 屋根=和形「銀いぶし瓦」 軒天井=球磨杉現し、  八女杉上小節 (化粧野地板および化粧垂木) 外壁=球磨杉(1階)、  天然スイス漆喰仕上げ(2階)主な内部仕上げ: 天井=杉現し 壁=漆喰、八女杉(図書館)、  高千穂薩摩中霧島壁金鰻  ランダム仕上げ(和室) 床=三和土仕上げ (左官工事:亀崎正吾/  ㈱亀崎開楽園)、  球磨杉(キッチン)、  八女杉上小節(図書室)、  八女杉節有り(事務所)、  本畳(和室) 2 日本漆喰協会は、漆喰の普及や左官の技術向上・継承などを目的に1999年に設立され、毎年すぐれた作品に対して表彰を行っている団体。2018年度は21の応募があり、多宝塔や美術館、重要文化財の保存修理など錚々たる作品と並んで、未来工房「やかまし村のギャラリー」も作品賞を受賞した。地元素材の積極的な使用や、職人による熟練した技術、細部にわたるていねいな仕事などが決め手となった。 今回未来工房は、ギャラリー建築の素材選びを進めていくうちに、偶然地元・田川市の漆喰メーカーと出会ったという。突き詰めていく中でいい素材、いい職人とめぐりあい、結果として評価されるにいたったのだ。「正直はじめはここまで美しく仕上がるとは思っていなかった」と言う広報担当の倉地久美夫さん。嬉しい驚きと同時に、誇らしさがにじむ。 しっとりと艶があり、光をやわらかく受け止める漆喰。その仕上がりには職人の腕が如実に表れる。受け継がれてきた技の美しさが壁一枚からも感じられるのは、なんと豊かなことだろう。第13回日本漆喰協会作品賞受賞ギャラリー名である「やかまし村のギャラリー(出典:『やかまし村の春・夏・秋・冬』アストリッド・リンドグレーン作 大塚勇三訳 岩波書店)」は、小さな村で生き生きと暮らす子どもたちを描いたスウェーデンの児童文学に由来している。未来工房のめざす「豊かな日常」がそこにある。未来工房スタッフの皆さん。右から設計の坂本孝之さん、片多和也さん、インテリアコーディネーターの松延まどかさん、設計課の岡本幸穂さん、積算担当の武下寿義さん、関隆司さん。【情報はこちら】 ㈱【未来工房】 〒830-0047 福岡県久留米市津福本町731 ☎0942-32-4612 http://www.mirai-kohboh.co.jp/資料請求ご希望の方は160ページを参照89上/緩やかなカーブにより、影がやわらかく見えるという。下/トップライトから階段室に落ちる光もどこかやさしい印象。木と土の家特集

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