雑誌「チルチンびと」100号掲載 福岡県 ㈱未来工房
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庭は一部瓦敷きに。こんな遊び心も未来工房ならでは。手洗いは波佐見焼。カウンターは八女杉を使用している。繊細な組子細工は大川組子の木下木芸によるもの。地窓から障子を通してほのかな明かりが差し込む。88会やおはなし会、ワークショップなどを開催。レンタルスペースとして貸し出しも行っており、毎日のように人が訪れる、文字どおり地域の公民館のような存在となっている。この日も、ご近所の池田菜々絵さん親子がふらっと遊びにきてくれた。たまたま通りかかって覗いてみたのをきっかけに、時折子どもたちと散歩ついでに寄っては絵本を読んで過ごしているという。「子どもたちも気に入っているみたいで、ゆったりと過ごすことができます」と池田さん。 豊かな暮らし、未来のためにできることを考えながら家づくりを行ってきた未来工房。ギャラリー館長の金原望さんは「私たち未来工房だからできたことかもしれません」と話す。「明日のこと、10年、20年先のこと。少し先の未来のことは皆考えているんです。けれど、それを50年、100年と延ばしていけたら――」。多くの人が豊かな未来に思いを馳せることができるような、そんな場所をつくりたかったのだという。「100年後も遺る建物」をめざした未来工房のギャラリー。地域の人びとに少しずつ受け入れられ、着実にその道を歩み始めているようだ。1階和室は奥の庭まで見通せる。障子や襖には佐賀の手漉き和紙・肥前名尾和紙を使用。

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