雑誌「チルチンびと」100号掲載 福岡県 ㈱未来工房
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87当然必要になる。 ここまで素材選びを徹底したのには、「地域の活性化や地元へ貢献したいという思いがありました。何より、地元のものを使うほうが町並みにもなじみますね」と、同じく設計に携わった坂本孝之さんが語る。ギャラリー建設は、地域主義工務店として地域やそこに暮らす人びととのかかわりを改めて考える転機でもあったようだ。豊かな暮らしと地域のために あるとき同社の展示場を訪れた、すでに家を建てたお客さんの残念そうな声。「もっと早く未来工房さんに出会っていたらよかった」――それを聞いた片多さんら設計チームは、家を建てようという人のみを対象とした展示場ではなく、いろいろな人が気軽に足を運んでくれる場所が必要なのでは、と考えるようになったという。本社からほど近いこの土地に、未来工房の家づくりに対する姿勢や考え方が伝わるような場所をつくる、という計画が持ち上がった。構想を練りながら設計が進み、約1年後にギャラリーが完成したのだった。 現在では2カ月に一度のマルシェや上映会のほか、定期的に展示上/小屋組が現しとなった2階スペース。奥右手には畳やソファコーナーもあり、ここでもくつろげる。左4点右から /「やかまし村」をイメージしたアイアンモチーフは、未来工房と10年以上付き合いのあるアイアン作家・倉住巨隆さんによる。 /大川の家具作家による木のシェード。 /吹き抜けのキャットウォークは家具の端材を使用している。樹種の違いで色が異なる。 /1階床に幾何学模様の影が落ちる。

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