設計を手がけた木下治仁さんは、こう話す。「家族の団欒のスタイルが変わってきている。昔はテレビを中心に集っていたが、今はスマートフォンをいじったり、読書や家事をしたり。各々好きなことをして過ごしながら、家族が一つの屋根の下で安心感を持つ精神的な繋がりのある家にしたかった」。 間取りのポイントは玄関からすぐの「客間としてのダイニング」だ。LDKと独立和室、最大55坪の家族4人住まいの要件のほか、「最近は人の来ない家も多いようだが、人を招く家を考えた。そうすると、家が楽しくなる」と、木下さんの生活提案が反映された。東京より夏至の日の入りが30分遅い熊本の土地柄もあるのだろうか。「人が集まる暮らし」を追求した住宅なのである。
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