雑誌「チルチンびと」75号掲載 宮城県 ㈱タカコウハウス
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です」と奥さん。それまでさまざまなモデルハウスなどを見て回っていたが、現代的ですっきりしたデザインに惹かれた。それと前後して、Мさん一家は黒川郡上桜木にある同社モデルハウスも見学。そのモデルは、同社の持つ高い大工技術の粋を注ぎ込んだ純和風の家。「とっても立派で感動しちゃって。こんな大工さんが建てるなら安心だと思いました」と奥さんは振り返る。 宮城で家を建てる時、地震のことは気にしなかったかと尋ねると「まったく気にしない。地震の直後タカコウハウスの現場見学に行ったのですが、びくともしていないんですから」とご主人。「この家もそうですが、当社は屋根や床に、斜め板張り工法(註)を用い、地震に強い家をつくっています」と針生さんは言う。 かくして竣工したМ邸。ご主人は日がな庭仕事や作品づくりに精を出す。山や川で探してきた木を使ってつくる椅子は玄人肌だ。また、取材に訪れた晩秋には、庭木が色づき、窓の外には美しい景色が広がる。「庭木の果実を小鳥がついばみに来るのを見ていると時を忘れてしまいます」と話す奥さんも、新しい家での暮らしに大満足のようだ。右上から時計回りに /リビングからキッチンを見る。浴室へ続く廊下にはリズムよく柱が並び、部屋に広がりを与えている。 /薪ストーブはご主人たっての希望。火を眺める時に座るのは、自作の椅子だ。 /ダイニングから庭を見る。 /キッチンの棚に並ぶ生活雑貨は、各地の展示会で求めた作家もの。(註)根太と床梁に斜めに板を張り、剛性を高める「チルチンびと『地域主義工務店』の会」東北ブロックで開発した工法。構造用合板とほぼ同じ2.79倍の床倍率(水平剛性)を持つ。156

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