雑誌「チルチンびと」82号掲載 宮城県 ㈲佐七建設
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154 今年7月、宮城県美里町に木下さん一家の新居が完成した。この地にあった元の家は、夏は暑く冬は寒く、一昨年、夫妻が退職するのを機に建て替えを決意。工務店は、佐七建設の名がすぐ浮かんだ。日本の木を生かす同社の家づくりを雑誌で知った奥さんが見学会に赴き、佐々木実会長の住まいや自然素材に対する熱い思いに触れたことが決め手になった。次いでご主人も見学会へ。雪の日も家に入るとフワッと暖かいのに驚くとともに木の存在感にも圧倒された。こちらに任せよう——夫妻の気持ちが固まるのに時間はかからなかった。 設計では、廊下をつくらずどこへも行きやすいようにと要望。そもそもこの家に住むのは、夫妻と次男、お母さん、そして新たに仲間入りする奥さんの妹さんの5人。いつも家族の気配が感じられる一方で、一人ひとりが落ち着いて自分の時間をもてることを何より重視したそうだ。 1階は、のびやかな空間が広がる居間を中心に食堂と台所もつながっている。和室・寝室・水まわりも居間を囲むように配し、「廊下のない」つくりが実現。2階には次男の部屋と書斎を兼ねたホールがある。居間の上部は大きな吹き抜けで、2階にいても下との一体感は損なわれない。住まいへの熱い思いに共感薪ストーブの煙突は2階を通って屋根上へ。家全体を暖気が巡り、ほとんど室温差がない。2階より居間を見下ろす。吹き抜けは大きいが、適切な気密・断熱が施され冬も暖かい。上:対面式の台所は広々としており動きやすい。 下2点:サンマの生姜煮、引き昆布の煮物などが食卓へ。野菜の多くは自家製だ。

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