雑誌「チルチンびと」101号掲載 愛媛県 ㈱西渕工務店
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このタイミングで家を建てなきゃと思って―。東京、大阪、松山、西宮と転勤を繰り返していた建主は、ご主人の故郷、松山への赴任をきっかけに新居を建てた。 写真=西川公朗 モダンさと無骨さを宿した天然無垢の家愛媛県松山市 O邸 西渕工務店 川沿いに建つその家の外観は、竣工から2年、美しい飴色に変化し始めている。細長く伸びた土間空間を二つに仕切る暖簾のしつらえが、訪れる人に涼を誘う。玄関からリビングに足を踏み入れると、モダンさと無骨さが両立した落ち着いた空間が広がっていた。登り梁と水平梁が巧みに組み合わさり、梁の仕上げがやわらかい陰影をまとう。その様子はどこか現代的でもある。 「ゴテゴテしていないデザインが好みだっ21特集家族庭941土壁の木造軸組工法の家には県産材や伝統構法が採用されている。リビングを印象づけるのは折置き組み。梁の上に平角材を置いてもう1回挟んでいる。2土壁の土は内子町の粘り強い土、下地は竹小舞下地が使われている。壁は壁量の範囲を調整しながら、ところどころ意匠的に真壁にしている。 3大きな開口部のデッキと段差なく繋がる広々としたリビング。親子で庭を見ながら気持ちよく過ごす。4暖簾で玄関の土間が仕切られている。奥にはシューズクロークがある。 5玄関からリビングを見る。3

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