雑誌「チルチンびと」96号掲載 徳島県 ㈱山田工務店
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5洗い出し仕上げの階段。郵便受けはご主人が新築に際し、家の端材でつくった。 6檜の格子は、風が吹くとほのかに香る。「全部手づくりなのがうれしいです」と奥さんのお気に入り。 7前列はKさん一家、後列は左から山田文夫社長と大工職人の福岡孝典さん。と、笑って言っていました」(奥さん)。ご主人は着工してから、基礎工事はほぼ毎日、その後は毎週末、現場へ見に行った。そのことを知る、大工の福岡孝典さんは、「Kさんの家族になった気持ちでつくっていました」と話す。よく顔を合わせていた二人は、古くから知っている間柄のように、自然な空気感を醸し出している。 ご主人はこれから、庭にウッドデッキをこしらえようと張り切っている。几帳面に描かれた図面を両手に抱えながら。間取りや内装を考えたという。一方、設計した同社の山田文夫社長はこう語る。「一人っ子のお子さんに寂しさを感じさせない間取りを考えました。親御さんの目が届くという点にも重きをおいて。それに木を見て育った子は、何となくですが、やさしい子になるような気がするんです」。 家づくりにおける、Kさん夫妻の話し合いは、8歳の昂こう甫すけくんの就寝後に行われていた。ご主人がアイデアやたくさんの意見を出し、助言するのが奥さんの役割だ。 「主人に、また今日も見に行くの?所在地:徳島県小松島市 家族構成:夫婦+子ども1人 敷地面積:330.61㎡ 延床面積:91.09㎡竣工:2018年3月(工期2017年9月~2018年3月)設計・施工:㈱山田工務店 ☎088-669-1226 構造形式:木造軸組工法主な外部仕上げ: 屋根=和瓦葺き 軒天井=杉板厚12 外壁=防火サイディング厚15、    ジョリパット吹き付け主な内部仕上げ: 天井=杉板厚12   壁=和紙貼り   床=杉無垢板厚30「大工職人という仕事が魅力的であり続けないといけない」と語る山田社長。山田工務店では、20〜60代までの9人の大工が一丸となって自然素材の家づくりを支えている。技術は会社の存続にかかわるものとして、熟練職人による技術の継承に取り組んでいる。丸太は直径11寸、徳島県神山町の松。大工の大下和雄さん。手斧がけは熟練の技が必要。伝統の職人技が生きる家づくり657N居間寝室子ども室和室キッチンデッキ玄関デッキ洗面脱衣取材・文=宮下恵里子59

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