雑誌「チルチンびと」別冊39号掲載 広島県 木ごころ㈱坂田工務店
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案した。また、光本園長の「扇風機の風は子どもたちに届かないから、地窓にして風の道をつくって。8カ月から9カ月でオシメをとる訓練を始めるから、トイレの入口にベンチをつくって」などの要望に、連合設計社の越野俊さんとともに打ち合わせを重ねた。 高原社長は「越野さんは、スケール感を子どもに合わせて設計してくれた。小さくつくって、大きく見せるデザインも素晴らしく、感服しました」「工務店は、デザイン・素材・匠の技の統合にチャレンジしました」「板材は、坂田工務店で一年間天然乾燥した材を使用しました。完成後、木の香りがいいね、と言われたのがうれしかったです。子どもたちの環境を大事にしておられる光本園長だから、園庭の木は1本も切らずに建てました」と、語ってくれた。 小さくても豊かな空間デザインの新園舎が完成した。一番大事な時期だから、「手をかける保育」と「見えない所に手をかけた建築」が、子どもたちに必要だった。 光本園長の情熱と、高原社長の匠の心意気の結晶が、子どもたちの育ちを支え続けていくのだろう。園庭の西側に建つ乳児棟。視覚的にはつなげ、睡眠のために遮音する設計。子どもたちは、自分の意思で自由に行ったり来たり。初神保育園(社会福祉法人光生会)広島県安芸郡熊野町初神10540TEL 082-854-6446 園長/光本涼子職員/園長1名、保育士12名、事務職員1名園児/定員60名保育園は生活の場だから、食事は大事な体験の時間。手づくりの昼食を、子どもたちが運び盛り付ける。スプーンも箸もしっかり持てて、食べる力が育っている。129

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