雑誌「チルチンびと」94号掲載 岩手県 ㈱タカコウハウス
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地域主義工務店の会 会員社が建てた家…①210 岩手県最南端の一関市内からさらに南。山々に囲まれ、豊かな緑が望める集落の一角に、のびやかな敷地をもつ平屋がある。「このロケーションを生かしたかったんです」と、ご主人が遠い山の向こうを見つめている。 N邸はもともと山林だった土地を切り拓いて建てられた。敷地南側に配された建物は横長の形状。北側に視線が抜け、眺めのよさが存分に生かされている。前面には芝生が広がり、子どもたちが思い切り走り回れるほどの広さがある。その芝生を横切り、玄関ドアを開けると、ゆったりとした洗い出しの土間スペースが。ご主人の趣味であるスキーやアウトドアの道具をしまえる大容量の収納が備えられている。 リビング・ダイニングの開口からは山並みが望める。杉板張りの勾配天井には太い梁が架かり、空間を引き締めている。シンプルで洗練された雰囲気の室内を、薪ストーブのやわらかな暖かさが包む。小上がりの畳の間を含む一室空間の奥は、寝室や水まわりなどのプライベート空間だ。 設計・施工を行ったのは、仙台のタカコウハウス。奥さんが『チルチンびと』で掲載されていた同社の家を見たことがきっ健やかに暮らせる〝本物の木の家〟を山里のおおらかな平屋暮らし設計・施工= タカコウハウス岩手県一関市N邸雄大な景色が見通せ、広々とした敷地に建つN邸。贅沢な環境を生かした端正な平屋で、家族4人がのびのび暮らす。「イメージを形にする」工務店との二人三脚の家づくりとは。写真=西川公朗1231北側外観。 2敷地内にはクリの木も。 3クラシックなデザインがお気に入りの薪ストーブは、バーモントキャスティングス社のアンコール。 4リビング・ダイニング中央の杉の大黒柱は、丸太ではなく角材を削り出すことで、木目が出てアクセントに。 5薪ストーブのぬくもりを感じながらソファでくつろぐご主人と長男。ご主人は「天井は板張りにしたかった」のだそう。

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