雑誌「チルチンびと」別冊52号掲載 兵庫県 ㈱平尾工務店
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54いい家をつくる工務店の事例ルが広がる。玄関からは2方向に動線が分かれ、一方はLDKに向かう廊下に、もう一方はダイレクトに和室へ。「法事などでお坊さんが来ることも多いので、動線を考えました」。 T邸の中心となるのは、リビングとダイニング・キッチンが一体となった大空間。障子を開ければ8畳の和室ともつながり、より広々とした空間となる。奥さんは「キッチンから家中が見渡せるので、子どもたちの様子もわかって安心です」と微笑む。「この家に引っ越してきてから、子どもたちが以前の集合住宅の頃と比べて、格段にのびのびしているのも嬉しいですね」。 LDKで一際目を引くのが、東北のアカマツを製材したという見事な太鼓梁だ。平尾さんは「台持ち継ぎという伝統的な継手を用いています。さらに垂木を見せることで、和の雰囲気としています」と語る。ご主人は施工中、たびたび現場に見学に訪れたそうで「腕のいい大工さんの仕事ぶりを見たり、話をするのが楽しかったです」と話す。 取材時は暑い盛りだったが「風通しがよくて涼しいので、エアコンはほとんどつけませんね」と、住み心地のよさを語る夫妻。今後の希望をご主人に聞くと「離れのような小屋をつくることと、古い井戸を復活させること」と語ってくれた。新たな住まいを得て、地域に根ざしたTさん一家の暮らしは、ますます楽しさを増していくことだろう。1ロフトへははしごで上り下りする。2・3・4ブランコ、ピザ窯、薪小屋はすべてご主人がDIYで自作した。ブランコには、建て替え前の家に使われていた古材を使った。 5Tさん一家と、平尾工務店の平尾幸司さん(後列左)、明石美智子さん(後列右)。 6緑豊かな地に建つT邸。漆和紙を貼った床の間や、雪見障子などを備えた本格的な仏間。右の板戸の先が玄関ホールに続いている。6

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