雑誌「チルチンびと」70号掲載 兵庫県 ㈱平尾工務店
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63 美しい檜の床に、漆喰の壁。天井高3メートルの広間に入ると、まず目に飛び込んでくるのが薪ストーブだ。あかあかと燃える炎は、建築家が設計した端正な空間に、いっそうの活気を与える。省エネ対策の一環として モデルハウスに薪ストーブを導入した経緯をうかがいに、平尾工務店の平尾博之社長を訪ねた。すると平尾社長は「今回のモデルハウスのテーマは、“省エネルギー”なんです」と話し始めた。「これまで取り組んできたのは、自然素材とデザインの両立。それに加えて省エネルギーに取り組んだ背景には、『現代の家づくりには、環境配慮が欠かせない』という思いがあったからなんです」 この思いを実現すべく、まずは2010年に自社の社屋を省エネ仕様に変更した。6キロワットの太陽光発電パネルを設置したほか、照明やエアコンを省エネタイプのものに、サッシもペアサッシに変更。その効果は大きく、5〜7月の電力使用量でみると、前年比23〜25%もの削減につながったという。こうして効果漆喰壁や杉板の天井など、細部にまで職人の手わざが光る。「泉先生とのコラボレーションも回を重ね、大工や左官もデザインを深く読み取ることができるようになってきました」(平尾社長)。

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