雑誌「チルチンびと」97号掲載 兵庫県 ㈱井藤工務店
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16067垢材を使い、細部までこだわった和室も自慢だ。夫妻と同様にこの家を愛するのが、善規さん。「この家は自分が住みたい家。遊び心がたくさん隠れています」と語る。 この家での楽しみは、景色。すべての開口部から緑がのぞく。善規さんはたまたま訪れたとき、「目の前の公園の桜が『ここ、僕ら咲くで』と訴えたから家の向きをちょっと変えたんです」と語る。キッチンに立つと春は満開の花の重みで枝垂れた桜が目に入る。1階の屋根を低く抑え、和室の天井を下げた設計で、2階の主寝室からも山や公園の緑がきれいに見える。階段の踊り場ではまるで一幅の掛け軸のような山の景色が迎えてくれる。 もう一つの楽しみは、来客者との時間だ。アウトドアが好きなご主人は、庭でのバーベキューで客人をもてなす。玄関に備え付けられた物入れはすぐに上着がかけられる工夫がなされている。広々としたシューズクロークも来客が想定されている。奥さんが料理をふるまう食事会客人を迎え入れる開放感1「建具で家の顔が変わるのが好き」と語る善規さん。和室入り口の3連の建具は大工としての腕の見せどころ。欄間は表が檜、裏が竹の格子というつくり。 2玄関。内に導かれるような天井のライン。 3数寄屋風庇。 4・5家のなかにも緑が。 6かわいらしいトイレの鍵。 7机の高さに合わせて窓、本棚を造作。34521

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