雑誌「チルチンびと」97号掲載 兵庫県 ㈱井藤工務店
2/4

「ただいま」。来る人がそう言いたくなる、気持ちのいい家が建った。「窓を全部開け放ったら風通しがよく涼しいんですよ」。そう語るのは、岩屋夫妻だ。 夫妻は、奥さんのお兄さんが知り合いだったことがきっかけで地元の井藤工務店に家づくりを依頼した。「もともと平屋が欲しかったんですよね」と語るご主人。大学生になる息子がいつか家を建てる可能性を考えて、敷地にスペースを残すため2階建ての設計に変更した。また、寺社建築も手がける工務店だから、和室はぜひにと考えていた。「お花や五月人形を飾るための床の間もお願いしました」。 ほどなく、大工・設計担当の井藤善よし規きさんが、弟で社長の勝かつ仁ひとさんと図面を携えてやってきて、家づくりが始まった。善規さんは、設計だけでなく大工棟梁も務め、竣工まで細かな提案をし続けた。大工の技を生かし、すべての建具を自社で制作。無46夫妻の希望を工務店の情熱が叶える1階段踊り場から見える景色。 2あちこちにご主人の選んだ植物たちが置かれる。 36mの長さがあるキッチンのカウンターは檜。通し柱にする木材を、井藤工務店が自社で加工した。 4キッチンからリビング・ダイニングを見る。右奥が和室。 5和室の畳の縁は「落ち着く色」として姫路城の庭園、好古園の茶室と同じ色に。善規さんが選んだ。 6薪ストーブは、ドブレ社の760CB。5

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る