雑誌「チルチンびと」103号掲載 兵庫県 ㈱井藤工務店
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130を考えた。木製サッシは気密性やメンテナンスの面でアルミサッシなどより取り入れるのが難しいが、井藤工務店は、内障子や断熱ブラインドをしつらえ、強い西日や寒さに対処。残りの要素は設計者に一任。動線や通風、採光を読み解いてまとめられた平面を、大きな切妻屋根が包み込む端正な住まいが完成した。田中さんは自らの設計を「ガチガチの合理主義」なのだといい、「必要以上のことはしなくていいんです。強いて言えば、天井の高さを意識して、心地よさを生み出しました」と説明する。「場所のつながりから棚の高さまで、どこもシンプルで勝手よくつくられています。子どもたちも、身の回りのことがわかりやすいようで、お手伝いを進んでするようになりました」(奥さん)。井藤社長も「無駄がないので、見た目にもすっきりと仕上がりました」と目を細める。田中さんと中島さんの設計を彩るのは、こだわり抜いた自然素材と家族の手仕事の跡だ。墨付けを井藤社長が担当。木材の123自然素材をふんだんに使った手仕事の跡

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