雑誌「チルチンびと」48号掲載 兵庫県 ㈱平尾工務店
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7ページ 2階につくった。学校から戻ってきて、2階る母親とコミュニケーションが自然にとれるようにという考えからである。子どもが部屋にいても、同じ階なら親は気配を感じとることもできるからだ。 長く住み継げる 家を提供したい  平尾工務店は、「住まい」と「健康」は直結するという考えに基づき、6年ほど前から自然素材を使い、数十年先まで安心して住める住宅を提案している。現社長の平尾博之さんは言う。「大工だった祖父や父は、住宅を真剣につくっていた。見えないところも一所懸命に。その原点に還ろうという考えで家づくりをしています」。そうした家づくりをもっと多くの人に伝えたいと、今回の都市型住宅の提案になった。自社で設計せず、建築家の泉さんに依頼したのは、伝統の技術を生かしながら、現代の暮らしにあった家をつくりたかったからである。  30坪の敷地でどれだけ豊かな住まいを実現できるか。図面は見ていたけれど、平尾さん自身、完成するまで実感できなかったという。なぜなら、同社が日ごろ設計施工する住宅は60、70坪の大きな家が多かったからだ。そのため、特にモデルハウス1階の和室が3畳ということには「想像以上でした」と平尾さん。けれど、モデルハウス完成後、30坪という数字からは考えられなかった部屋の広さを住まい全体で感じ、設計の妙を目の当たりにしている。  モデルハウスに来場する多くは30代の奥さまで、ご主人に先がけて来るという。使っている建材や価格を気にしながら、数十年経っても安心して暮らせる家を望んでいる。小さな敷地でも豊かな暮らしを実感できる、このモデルハウスの存在は大きい。

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