雑誌「チルチンびと」105号掲載 京都府 ㈱彩工房
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1ダイニングからリビングを見る。 2・3奥田さんが制作したワイヤークラフトが飾られている。 4リフォームした2階子ども部屋。収納で間仕切っている。 5改築を前提に用意していたという梁を活用して、新たにロフトを設けた。2345135り込むのではなく、余白を残して植物の配置を決めました。後々魅力的な植物に出会ったときに、楽しみながら増やしていってもらえたらと思ったのです」(奥田さん)。 この庭づくりをきっかけに、さまざまな縁も広がった。ワイヤークラフト作家としても活動する奥田さんの作品を気に入った夫妻は、住まいの各所に作品を飾り、酒谷さんが奥田さんの作品を撮影したポストカードも制作。さらに、酒谷邸の作庭を見た彩工房の森本社長は「彩工房の家と同じコンセプトの庭だ」と奥田さんに庭のデザインを依頼するようになったという。 この家に暮らし始めてから約9年が経ち、夫妻と中学生になった長男、そして7歳違いで生まれた次男の4人家族となった酒谷さん一家。この間に酒谷さんは写真家として独立し、フリースペースは酒谷さんの仕事場を兼ねるように。「私の帽子づくりは、糸と道具をカゴに入れて持ち運べるので、その日の気分でフリースペースやリビング、寝室などいろいろな場所で編んでいます」(奥さん)。さらに子どもの成長にともない、今年は子ども部屋をリフォームした。工務店や作庭家など出会った縁を大切に育みながら建てた酒谷さんの住まいは、夫妻の仕事や子どもたちの成長の場として、ますます味わいを増していくことだろう。

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