雑誌「チルチンびと」別冊52号掲載 京都府 ㈱彩工房
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71をしました」という。たとえば親世帯の住まいでは、座敷とLDKがつながる間取りを踏襲しつつ、北側にあったキッチンを南東に移動した。「明るいオープンキッチンとタイル貼りのカウンターは料理しやすいです」と奥さん。一方、子世帯では「畳の部屋に掘り炬燵をつくりたい」という要望に応え、しっとりとした雰囲気の和室を中心としたプランに。彩工房の大工や職人の技が冴える空間となった。 そして、Y邸のもう一つの見どころが、多趣味なご主人のために森本さんが提案した小屋だ。「家はもちろん、小屋も無垢材なので、居心地も抜群です」と笑うご主人。「心配したコストも予算内に収まり、素材や技にこだわって建ててもらえたのでよかったと思っています」。 お互いの暮らしを尊重しつつ、中庭を共有する二つの世帯。新たな住まいが時とともに味わいを深めるように、そこに暮らす家族の交流も深まっていくのだろう。2346571勾配天井が美しい、親世帯のダイニング・キッチン。壁付けのキッチンは奥さんの希望。 2奥さんが趣味でつくったステンドグラスを縦に使うことで、華やかな空間に仕上げた。3テーブルとの間に設けたカウンターは森本さんの提案。タイルはイタリア製。 4・5・7奥さんのステンドグラスの作品が、住まいの各所を彩る。 6キッチンから勝手口に通じる建具には、元の家の古いガラスを生かした。

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