雑誌「チルチンびと」別冊57号掲載 滋賀県 木の家専門店 谷口工務店
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旧東海道沿いの3室がスタンダードツインだ。「客室のほかに、1階に宿泊者専用のラウンジを設けています。ラウンジにはポール・ケアホルムのチェアPK22を配しており、各客室でも部屋に合わせて選んだ北欧の名作家具でくつろいでいただけます」。             オープンから1年を迎える「講 大津百町」。宿泊客も増え、商店街にも活気が戻りつつあるという。谷口社長は「このプロジェクトをきっかけに、未来の大津を盛り上げていきたい。そして大工棟梁が輝ける未来を、若い人たちと一緒につくっていきたいですね」と力強く語った。ホテル7棟のうち、5棟は全棟スイートの一棟貸しタイプで、2棟は大きな町家を部屋単位で客室としたホテルタイプとなっている。7棟すべての改修設計を担当したのは、建築家・竹原義二氏。谷口工務店とは、古民家の改修設計や同社主催の学生向けコンペ「木の家設計グランプリ」の審査員を務めるなど、日頃から付き合いが深い。案内してくれた谷口工務店の設計士・楳うめ坂さか紀明さんは「築100年近い町家を、今後100年使えるように構造から見直していただきました。古民家だから不便だったり寒かったりということのないよう快適性を重視しており、床、壁、天井をすべて剥がして、断熱、防音工事を徹底しています。さらに、全室に専用のバスルームとトイレを設けています」と話す。       改修工事には、谷口工務店の大工を中心に多くの大工が携わった。「補助金の関係で、限られた期間で7棟の改修を行う必要があり、いろいろな方の力を借りました。そうした中で、竹原先生からの学びや、大工や職人同士の技の伝承などが実現できたと思います」(楳坂さん)。    7棟のうち、今回紹介する「茶屋」は、旧東海道沿いに建つ元茶商の家。庭を望む2室がジュニアスイート、1234574

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