雑誌「チルチンびと」別冊57号掲載 滋賀県 木の家専門店 谷口工務店
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ンは2018年8月だが、谷口工務店と大津のつながりは2016年の「大津百町スタジオ」開設にさかのぼる。同スタジオは、大津駅からすぐの場所にある築100年の町家を改修したカフェ併設のショールーム。「滋賀県竜王町に本社があるので、県庁所在地にショールームを設けたいと考えました。古民家を改修したのは、大工の技術で古きよきものを未来へ残していきたかったからです。古民家再生は、日本の大工技術の結晶として、世界に誇れるものだと考えています」(谷口社長)。谷口工務大津の中心市街地はかつて「大津百町」と呼ばれ、江戸時代には東海道五十三次の宿場町として栄えた。ホテル「講こう 大津百町」は7棟あり、その大津百町エリアの旧東海道沿いとアーケード商店街に点在している。谷口工務店の谷口弘和社長は、このプロジェクトについて「大津に残る古い町家を改修したホテルに泊まり、地元の商店街を楽しんでいただくことで、大津の街の魅力を体感してもらうことがコンセプトです」と話す。 ホテル「講 大津百町」のオープ茶屋のエントランスを入ると宿泊客専用のラウンジがあり、無料でコーヒーや手づくりクッキーなどが提供される。ラウンジには吹き抜けが設けられ、開放的な雰囲気を演出する。71滋賀県に本社を構える谷口工務店は、県庁所在地である大津の町家7棟をホテルに改修した。このホテル「講 大津百町」プロジェクト実現の背景には、大工の技の継承を願う谷口弘和社長の思いが息づいている。滋賀県 ホテル「講 大津百町」茶屋 木の家専門店 谷口工務店設計=竹原義二(無有建築工房)写真=畑 拓 文=上野裕子

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