雑誌「チルチンびと」101号掲載 滋賀県 ㈱彩工房
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74た。軽トラックでの乗り入れがしやすく、収穫した野菜などの処理用の流し台を設置。畑仕事やスポーツの後、汗と泥で汚れて帰って来た時にはガレージで着替えることもできる。「立派な玄関をつくってもらったけど、月1回くらいしか使わない、ほとんどガレージからまっすぐ家に入っちゃう」と和彦さん。「中村さんは元々ガーデニングや畑、薪ストーブもされていて、生活イメージが出来上がっていた」と振り返る森本さん。「家の内と外をこれほど活用することは誰もができることではありません」と建主の暮らしぶりを喜ぶ。住む人の暮らしぶりを汲み取り設計した家だからこそ、住み手は家を住みこなせるのだろう。 森本さんは中村夫妻に家づくりのヒアリングをして、庭と家の関係が暮らしの大きな柱になるであろうと考え、家のプランづくりの段階からガーデンプランナーの奥田由味子さんに加わってもらった。「土地に高低差があるので、敷地の中に柵を取り込みました。柵の外の低い敷地ぎりぎりの場所にも植栽を設け外を歩く人にも楽しんでもらえるように」と奥田さん。 中村夫妻と彩工房との出会いは、恭子さんのお姉さんが家の改築を彩工房に頼んだことがきっかけだった。「姉の家を見て木の家がとてもよかった、和を前面に出していないけど使うものは日本のもの。私たちにピッタリだった」と恭子さん。彩工房のめざす〝暮らしを愉しむ家〟(後述)はまさに中村夫妻が思い描く理想の住まい方だった。住み方を変えてできた新しい和 「庭に畑に趣味もあるし、体が二つ欲しいくらい」と声を揃える中村夫妻。家から車で10分以内にテニスコートとスキー場があり、夫妻の共通の趣味が毎日でも楽しめる環境で、趣味を通して新たな友人も増えたそうだ。「近所の方もすごくフレンドリー。まさか60代になって近所の方とお付き合いをするなんて思ってもいなかった」と恭子さん。広い庭では、休みを利用して遊びに来るお孫さんたちがキャンプをしたりと賑やかな毎日だ。 朝起きて階段を下りると、吹き抜けの大きな窓から、比良山系と琵琶湖が見渡せる。「一日中陽が射してとにかく明るい。口で説明するのもね(笑)、住んだらわかります」と嬉しそうな和彦さん。 庭づくりの完成度はまだ20%ほどで、「最終的には森のような庭にしたい」と語る恭子さんだった。開放感ある空間には自然と人が集まる1レモンの木の根元の植栽を手入れする恭子さん。大好きな庭の手入れに夢中で気づけば数時間庭にいることも。2畑で採れたイチゴで手づくりジャム。来客へのお土産に。3ウッドデッキテラスはお孫さんの遊び場。 4・5手づくりピザと、和彦さん手製のピザ窯。 6畑で採れた野菜のサラダと庭で採れたレモンの葉を使ったレモン水。 7和彦さん自慢の道具小屋。天井にはスキー道具を収納。 1426537

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