住宅雑誌「チルチンびと」109号 滋賀県 彩工房
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棚田を見渡せる 大きな窓が欲しい 彩工房と出会って最初に見学した酒谷邸(『チルチンびと』105号。掲載)の印象が強く心に残っていた北野夫妻。ご主人は、他社の家は単純な間取りと設備だけの真四角の箱に「住まわされているような違和感」を感じていたという。そんななか、酒谷夫妻の暮らしぶりを見て「酒谷邸は自分たちらしさというか、生き方を突き詰めて考えていて、本当に必要なことを選ばれているように感じました」と奥さん。築年数が経っているのに、木の香りがしたこともポイントの一つだった。 計画にあたって森本社長は 「まず土地を見たときに、この借景を生かすことを第一に考えました」と話す。リビングは南向きでつくるのが定石だが、景色が望める北向きのリビングを提案。「どのようにリビングに陽の光を取り込むかを考え、東南方向からの光が入るようにしています。梁上にもはめ殺し窓を設けて、棚田がよく見通せるようにしました」。奥さんは「大きい窓で棚田を見ながらゆっくり過ごしたいという、いちばんの願いを叶えてくれて嬉しい」と語る。「酒谷邸で見た土間が欲しかった」というご主人の要望で、庭へ向かってのびやかにつながるようにつくられたリビング土間。リビングが庭の向こうへと広がっていくような広々とした印象を生み出した。

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