雑誌「チルチンびと」80号掲載 滋賀県 ㈱安土建築工房
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て責任を持って高い技術力のある大 工を育てたいと、代々続く大工の家 に生まれた西澤由男社長は語る。そ の考えが表れているのが、子どもた ちの遊び場であるロフト。「山小屋 みたい」とご主人が話すように、大 人もわくわくする場所だ。天井は現 しで木組を間近に見ることができ、 ていねいな仕事ぶりに感動する。  設計を担当したのは竹内賢治さん。 仕事のかたわら、木造建築を学ぶ「鴨 川建築塾」に通い、デザインの力を 高めてきた。N邸では住宅街でも自 然を取り込めるよう、ウッドデッキ をコの字型に囲むプランを提案。こ の土地の風向きや採光に配慮した計 画を夫妻は頼もしく思った。デザイ ンは夫妻の好みを聞き、大壁ですっ きりと見せる和モダンに。  同社では、営業から引き渡しまで 一人の設計者が担当する。建主が設 計者に思いを直接伝え、信頼を築き やすいシステムだ。竹内さんとのや り取りについて「とことん付き合っ てくれた」と奥さんは振り返る。  ご主人が望んだのはウッドデッキ とつながる風呂。「毎日が露天風呂 気分。湯気に木の香りが混ざって温 泉のよう。ひんやりした空気が入っ てそれがまた気持ちいい」とご満悦。 デッキに出て思い切り湯を浴びるの が至福の時だそう。四季の空気を感 じられる解放感。ここがまちなかで あることを忘れてしまいそうだ。 右:2階ホール。子どもの本が並ぶ壁 の裏側はご主人の書斎。 左:2階寝 室は採光を抑えて落ち着いた雰囲気。 和室も大壁でモダンなつくりに。 右:美しい木組のロフト。主な木材は杉。床板は三重県熊野、その他構造 材は滋賀県湖西地域から。 中:ロフトから見下ろすと吹き抜けを通して 1階までつながる。 左:2階子ども室。将来的には仕切って2部屋に。

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