雑誌「チルチンびと」103号掲載 滋賀県 ㈱安土建築工房
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161した」(小川さん)。角度を付けたことによって、やわらかい光がリビング空間を満たしている。 自邸をつくってみての感想を「今までは大工として家をつくる側だったが、住んだことによって、住み手側の望みが見えてきた」。「この経験を生かし、さらにいい家をつくれたらいい。言葉で説明しなくても、入った瞬間に感動するような家がいいですね」と、ひたむきに家づくりを模索する。 安土建築工房の西澤由男社長は、大工の手仕事を残すことに尽力している。その理由の最たるものとして、祖父の代、徒弟制度から始まったこの家業を大工ではない自分が終わらせることはできないという気持ちがある、と話す。「自然の摂理の中、この国で暮らす私たちにとって、最も理にかなっているのが木造建築」と西澤社長。 木造建築を後世に残す営みの中には、住む人に思いを馳せ、建築への思いで繋がる大工との信頼関係がある。木造建築に対する思いで繋がる810911128 2階からダイニングを見る。 9・10 2畳の和室は「やっぱり和室が欲しい」と無理を押してつくった。地窓から見える緑が空間を潤す。 11 子ども室には竣工後につくったブロック階段が。 12 前列は小川さん一家、後列は左から安土建築工房の西澤社長、お客様応援室の小南一樹さん。寝室子ども室キッチン玄関リビング和室洗面浴室ダイニング所在地:滋賀県近江八幡市家族構成:夫婦+子ども2人敷地面積:186㎡延床面積:102.32㎡竣工:2017年4月(工期2016年10月~2017年4月) 設計・施工:㈱安土建築工房  0748-46-5305構造形式:木造軸組工法主な外部仕上げ 屋根=ガルバリウム  鋼板横葺き   軒天井=杉板厚30㎜、  ウッドロングエコ塗装 外壁=杉板縦張り塗装 (ウッドロングエコ)  仕上げ、モルタル下地  マヂックコート塗り主な内部仕上げ: 天井=杉板厚30㎜  柿渋仕上げ、  プラスターボード9㎜  下地漆喰塗り等   壁=檜板厚12㎜  柿渋仕上げ、  プラスターボード  9㎜下地漆喰塗り等 床=杉無垢板厚15㎜柿渋・  ハードクリア仕上げ、  檜無垢板厚15㎜  柿渋・ハードクリア仕上げ取材・文=宮下恵里子2F1F

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