雑誌「チルチンびと」103号掲載 愛知県 ㈲亀津建築
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3建築家と工務店の協働② 小井田康和+亀津建築なテイストは変わっていくと思うけれど、亀津建築さんのデザインはきっと古くならない。ずっと楽しんで住めると思うんです」(ご主人)。その言葉を聞いた薫さんは、頷きながら「僕らは、これみよがしな家はつくりたくない。長く住み続けるうちにどんどんよくなる、そんな家づくりを続けていきたいのです」と言った。一人の建築家との出会いをきっかけに、自らのスタイルを築いた亀津建築。これからも多くの人に愛される家づくりを続けていくことだろう。お酒を飲みながらお話しさせていただきました。設計理論もうかがうことができ、勉強になりました」と懐かしそうに語る。平屋のプランを希望していたSさん夫妻。「他社ではコストがかかるからと2階建てをすすめられることが多かったんです」(奥さん)。ところが、敷地を見た雅さんは「この環境に見合う家を建てるべき。見晴らしがよく広いこの場所に平屋を建てない理由がない」と、夫妻の背中を押した。さらに、以前より家の位置を南にずらすことで、日当たりや風通しを確保するプランを提案。「前の家は日当たりのいいところが縁側で、リビングは暗かったんです。今は家中が明るくて、冬もポカポカ。風通しもよくなって、少し位置を変えただけでこんなにも違うのかと驚きました」(奥さん)。設計にあたっては、「どういう暮らしがしたいかといったことはお話ししましたが、設備を何にするかなどの細かい部分は、亀津スタイルで間違いないと確信していたので、お任せしました」という。「私たちは、年をとってもずっとこの家に住みたいと考えています。自分の好き4

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