雑誌「チルチンびと」103号掲載 愛知県 ㈲亀津建築
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1381回遊できるキッチンは、クリ材を使って亀津建築が造作したもの。「いつでも家族の気配を感じられるように、キッチン、ダイニング、リビングだけでなく、子ども室もひとつながりの空間にしてもらいました」(奥さん)。 2庭から室内を見る。南北と東西に窓を設けており、風通しがよい。 3子ども室からダイニングを見る。リビング・ダイニングの大きな開口部からは町が一望できる。南側に位置をずらしたことで、夏には近隣の花火もよく見えるようになったという。 4障子を閉めると、ぐっと落ち着いた雰囲気に。1Sさん夫妻が感じた亀津建築のスタイルは、亀津雅さん・薫さん兄弟が、小井田康和さんとの家づくりを通じて学んだものだろう。小井田さんとの仕事を経験した後、亀津建築が手がける家は、それまでの伝統的なスタイルから、シンプルかつ洗練されたものへと変貌を遂げた。雅さんは「初めて施工を依頼されてすぐ、小井田さんの自邸に来るように言われました。横浜の小井田邸に着くと、小井田さんはすでにビールを飲んでいて(笑)。その後も何度か、一緒にSさん一家はもともと、この場所に建っていた築40年ほどの家に暮らしていた。ご主人は「いずれは新築するつもりで購入して、自分たちで床を張ったり壁を取り払ったりしながら、6年ほど住んでいました。家族の気配がわかるようにワンルームにしたのですが、耐震面は不安でした。冬の寒さや設備の不便さもあり、建て替えを決意しました」と振り返る。建て替えにあたり、夫妻が参考にしたのが『チルチンびと』だった。奥さんは「私がぜんそくで、子どもたちも食物にアレルギーがあるので、自然派のお店に通っていました。そこで『チルチンびと』に出会い、いつか家を建てるなら、『チルチンびと「地域主義工務店」の会』の工務店さんでと考えていたんです」と話す。地域の会員社を見学する中で、亀津建築の完成見学会を訪れた夫妻は、シンプルなデザインにひかれたという。「その後何回か見学会に参加しましたが、どの家もシンプルで無駄がなくて、おしゃれで機能的なんです。ブレのない亀津建築さんのスタイルに共感するようになりました」(奥さん)。2

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