雑誌「チルチンびと」別冊41号掲載 愛知県 ㈲勇建工業
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左/玄関から入ってすぐの古建具を開けると、キッチンへ抜けられる。忙しい主婦のための動線。 右/玄関を入って振り返ると、建具の上の大津磨きの赤が目に入る。左/玄関の照明も勇建工業が持っていた古いもの。 中/杉板と大津磨きの赤と豊田土の切り返し仕上げの組み合わせがマッチしている。 右/家族が愛用する草履が玄関に並ぶ。び買い付けてくるものなどを倉庫にストックしているという。古いものはいい素材が使われている上に、新たにつくるよりコストも抑えられる。「新しい家にどうはまるかが楽しみだった」とご主人。家と古建具、土壁は違和感なくマッチし、家の中の風景をつくっていた。自然を楽しみながら暮らす 引っ越してまだ2カ月だが、この家にMさん一家はとてもなじんでいる。夫妻も「もっと長い間住んでいるみたい」と話す。 木の床で裸足が気持ちよく、帰るとすぐに靴下を脱ぐ生活。風通しもいいので今年の夏が楽しみだという。土壁で冬の寒さへの不安は、と尋ねると、「我慢できないほどではないだろうし、季節感を子どもたちと感じながら過ごしたい。それに寒い部屋はどこかに欲しかったんです。どの部屋も暖かい、高気密高断熱の家には違和感がありますね」と話す奥さん。 日本の季節を感じながら暮らせる家の周りには、トンボやテントウ虫もたくさんいて、家族で観察しているそうだ。近所の人が蛍をつかまえて持って来てくれたこともあり、別荘気分で住みなさいと教わった。そんな環境の中でのびのびと遊ぶ子どもたちを、うれしそうに見守る夫妻の姿が印象的だった。72

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