雑誌「チルチンびと」別冊47号掲載 愛知県 ㈲勇建工業
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むことを決意。そこで、古民家再生ができる工務店をいくつかに絞って検討した。 奥さんが自然素材を使うことを希望していたこともあり、「やっぱり素人目に見ても、勇建工業さんがいちばんいい素材を使っていて。それに経済的な面でもいちばん良心的だったんです」と、パートナーに決めた。技術も必要な民家再生 同社では、独自の手法で古い建物の木造住宅劣化検査を実施し、構造の直すべき箇所を洗い出す。その結果に基づき、耐震にも配慮した改築または改修プランを練り上げていく(76ページのコラムに詳しい)。 さらに、腕のいい大工や職人を抱えているので、建具や梁、古い材などをていねいに再利用できるのがコスト削減の秘密でもある。「使えるものすべて再利用してくれました。買ったのはエアコンと冷蔵庫だけ」とご主人。 プランで大きく変えたのは、使いづらく急勾配だった階段の位置をずらして傾斜を緩めたこと、それに台所の間仕切り壁と天井を取っ払って明るくしたこと。これには奥さんも大喜び。ご主人は、「昔から聞いていた建具を開ける音が、今の家でも聞けるのがすごく落ち着くんです。家の中で過ごす時間がなんだか豊かになりました」。上/食器棚と、レンジやオーブンなどの収納スペースを設けた。古い建具が違和感なく目隠しになっている。 下/古い梁はきれいに洗っただけ。そのうちまた照りが出てくるという。2階からダイニング・キッチンを見下ろす。天窓は、サッシはつけず、ガラス瓦の下にワーロンを貼っている。右/明るくなったダイニング・キッチンで楽しいひと時。テーブルとベンチは同社社長・加村さんの手づくり。 左/シンク側から見た収納とパソコンスペース。74

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