雑誌「チルチンびと」別冊43号掲載 愛知県 ㈲勇建工業
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 息子さん家族との同居を機に、家づくりを考え始めた齊藤夫妻がパートナーに選んだのは㈲勇建工業。夫妻の友人が同じように息子さん家族との同居を機に、築100年ほどの家を同社で改修し、その仕上がりを気に入っていたのだ。「やっぱり自然素材で家をつくる魅力を見せつけられた、というのがいちばん大きいですね」とご主人。  改修によって 機能性も高まった住まい 同社は、地域の土と木材を使った家づくりに取り組む工務店。元々左官職の会社から始まったこともあり、二代目社長・加村義信さんをはじめ左官技術の高い職人を多く擁する。土壁を使った家づくりはもちろん、15年ほど前から古民家の移築や改修も手がけており、そのノウハウも確立している。  加村さんが提案したプランの中から夫妻が最終的に選んだのは、元の住宅を改修して住み、増築の平屋建てに息子さん家族が住むというもの。これなら二世帯でほどよい距離感も保て、将来住む場所を入れ替えれば、手頃な隠居部屋ともなる。「建て替えも考えたんですけど、思い出もある住み慣れた家なので改修にしました」とご主人。  加村さんは夫妻から、これまでの暮らしや家族の思い出、今後の過ごし方など、細かいところまで耳を傾けプランを練った。  基本的な構造やプランは変えず、耐震補強として基礎にコンクリートを打設して足元を固めるのと同時に、柱の補修・補強をし家の傾きを修正。さらに各所に耐力壁を増やした。夫妻が特に改善したかったのが階段とキッチンの位置。元は2階への階段が家の中心にあり暗く、風通しも妨げていた。それを解消すべく階段の位置をLDKに移し、家中に光と風が通るように。  そして北側にあった暗いキッチンは南側に移動させ、広々として明るく、家族の気配も感じられるようにした。 左上/奥さんが選んだ麻の葉柄のタイルはキッチンの壁に。目地は淡いグレーで品よく。 右上/LDKの天井に入れた古材の化粧梁は、160年ほど経つ上越の杉材。 下/洗面所の建具にも麻の葉の組子を入れた。

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