雑誌「チルチンびと」98号掲載 愛知県 ㈲勇建工業
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102 ご主人と奥さんの出会いはサーフィン。今も夫妻は休日を合わせて、近くの渥美半島でオールシーズン、サーフィンを楽しんでいる。ご主人は「付き合っている中で将来結婚するだろうと思い、それなら落ち着けるところが欲しいと思った」と新居を建てた経緯を話す。 Mさん夫妻は、ご主人が育った築50年の実家の空き家を再生して、名古屋市に新居を構えた。その家は「特別な古民家でもなく、外壁の一部はトタンで木の建具とアルミサッシが使われた普通の家」だったが、屋根裏に潜ると「残しておきたい梁がたくさん現れた」。大学で建築を学んでいたというご主人は、自分で改装することも視野に入れながら「どうにかこの梁を残せないか」と、方眼紙に梁の図を描き、空間をどこで切れば、どの梁が出てくるのか、とイメー234ジを膨らませていたという。 そんなふうに構想していた頃、出会ったのが、勇建工業だった。同社社長の加村義信さんの自宅を訪れたときのことがご主人の頭にずっと残っていた。「プラスターボードの家でいいのなら、勇建工業は選びません。下地を木摺りにしたかった。勇建さんのこだわりは自分の感性にも合っていると思いました」(ご主人)。土壁や無垢材をじっくりと育てていく M邸はご主人の実家の骨格を残した「再築」という形でできあがった。リビングとダイニングの壁に施したのは土佐漆喰。「最初は白の漆喰を考えていましたが、内装に土佐漆喰が使えるとわかって。それを選んだのが大正解でした」とご主人。オレンジ寄りの黄色が1

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