雑誌「チルチンびと」91号掲載 愛知県 ㈲勇建工業
4/4

141次男が誕生、毎日がぐんとにぎやかになった。居心地がいいだけでなく 〝住の安全〞への配慮も 1階の中心は大きなリビング・ダイニング。フローリングだが一部は畳コーナーで、いっそうリラックスできる。ペレットストーブも置いた。「炎が見えるのはいいなあと思って」とご主人。キッチンは加村さんのすすめでダイニングと別室にした。家事に集中できるうえ、仕切りを開けるとダイニングにいる子どもに目が届くので不安もなく、正解でしたと奥さん。ダイニングの先には和室と洋室が続く。この二室はご両親の居室として使うことも考え、リビング・ダイニングを通らず水まわりへ行けるようになっている。一方、2階に主寝室と子ども室のほか奥さんの家事室がある。 勇建工業は左官を得意とするだけあって、1・2階とも漆喰仕上げ、和室は京錆土塗りだ。土は蓄熱性の高い素材ゆえ、各室の温度差が少なく音の響きもやわらかい。もう一つ、想定される東南海地震への備えを忘れていないことも特筆すべきだろう。「設計では、耐震性を最も重視します。素材についても、土壁の耐力は破壊試験で確認済み。構造材は強度にすぐれた吉野檜が標準仕様です」と、加村さんは胸を張る。 そうした配慮のもたらす安心感に加えて住み心地も上々と、ご主人は太鼓判を押す。大きな開口部とあわせ、外からの光が漆喰に反射して空間がより明るくなるのに驚いた。奥さんはクシャミなどの症状から解放され、日々の家事もラクに。でも、ここに移っていちばん喜んでいるのは長男だねと夫妻は口をそろえる。駆け回ったりパパと追いかけっこをしたり、のびのび育っている。「嫁さんは家事も育児もあるから、僕は掃除に精を出す。充実感がありますよ(笑)。予想した以上の家を勇建さんが建ててくださったので、大事に住もうと話しています」。ご主人が、言葉を噛みしめるように言った。情報はこちら ㈲勇建工業 〒465-0065 愛知県名古屋市名東区梅森坂1-222 ☎052-703-4345 http://www.youken.jp/ 資料請求番号【9107】建築データ所在地:愛知県あま市家族構成:夫婦+子ども2人竣工:2016年9月(工期2016年1月~9月)設計:勇建設計室(担当:加村義信) ☎052-703-4345施工:㈲勇建工業(監督:加村義信)構造形式:木造2階建て 主な外部仕上げ:屋根=瓦軒天井=杉  外壁=土佐漆喰主な内部仕上げ:天井=杉  壁=漆喰  床=松フローリング上・右/外観は平屋のようで安定感がある。この地方は冬季に伊吹おろしと呼ばれる強風が吹くため外壁は堅牢な土佐漆喰で仕上げた。 下/玄関ホールは広々。右手前はベンチ式の下足箱で座って靴やブーツを履く。

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る