雑誌「チルチンびと」別冊49号掲載 愛知県 ㈱小林住建
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90を迎えたばかりの長男を育てるための環境を第一に考えたと、夫妻は口をそろえる。 全体のプランはほとんど変えず、部屋の配置も以前のまま。一方で、お父さんの居室を増築した。こちらの部屋には、木を愛するお父さんのリクエストに応えて大きな太鼓張りの梁を2本入れたほか、厚みがあり足触りのやわらかな地元・三河産の杉材を床に張っている。キッチンや水まわりは別に設けず二世帯で共用。食事をともにするなど頻繁に行き来されていることがうかがえる。大工の手わざが現場で発揮された「とても仲のいいご一家なんです。もとのお住まいを大事にという思いは共通していたので、打ち合わせもスムーズでした」と小林直人社長。小林住建は新築ばかりかリフォームにも力を入れている。特に増築は昔の建物に新しい部分をつなげるのが重要なポイントだが、これはプレカットでは難しく、大工の手仕事で行わないときちっと仕上がらない。もと宮大工の先代がまだ現役という同社の技はそんな現場でも力を発揮したといえよう。親世代の思いが子世代に伝わったうえで、現代の生活に合う家をつくることがリフォームの面白さ――社長の言葉に力がこもる。

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