雑誌「チルチンびと」別冊37号掲載 愛知県 ㈱kisetsu
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デザイン主義工務店、KISETSUDesigner's Factory KISETSUここがいちばんデザイン性と住み心地は両立するのが基本 似たような住宅が並ぶ大通りに、そこだけまったくの別世界。ヨーロッパのデザイン事務所を思わす幾何学的でモダンな建物が、KISETSUのギャラリーだ。あまりキマっていてドアを押すのに引け目を感じるが、中へ入れば薪ストーブの温かな室内、座りやすい椅子、その上、社長の羽田野普裕さんが「テーブルの上にメニューがあってカフェみたいでしょ。何でも注文してください。うちはカフェじゃないから無料(笑)」と茶目っけたっぷりに歓待してくれる。ゆったりできて居心地もいい。 羽田野さんは、もとは大工社長だったそうだ。腕に自信があり、木組みの本格的和風住宅を建てていた。転機は『チルチンびと』山下編集長の「腕はいいけど、センスが今ひとつ」という言葉。「何を! と思ったけど(笑)、全国の住宅を見て回り、センス云々は自分だけの問題でなく工務店全体の課題だと気づいた」と話す。そして「どこも手をつけないなら自分が始めよう、デザインでトップの工務店をめざそう」と決意したのだ。 以来、大工からは完全に身を引き、〝家づくりの総司令官〞を自認する。自分でしていた設計も、精鋭建築家の集まる連合設計社市谷建築事務所とパートナーシップを組む方法に替えた。シンプルでデザイン性重視の家づくりだが、「これじゃお施主さん2009年にオープンしたギャラリー。「当社の究極のシンプルモダンを表現しました」と羽田野さん。インテリアもモダンで、長く居れば居るだけくつろぎ感が増すという不思議な空間。KISETSUが建てる家の居心地を知るにも絶好の場所だ。木の家づくりをする工務店の中でも、群を抜くデザイン力。2年続けてグッドデザイン賞を受賞するなど、世間の評価も高い。では、なぜデザインにこだわるのか。そして、KISETSUってどんな工務店なのだろう。会社情報はP.17432

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