雑誌「チルチンびと」103号掲載 愛知県 ㈲亀津建築
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12階リビング。L字型の開口部から視界がひらける。長野さんの家は、フリーハンド:小井田設計室と亀津建築が共につくった家としては3軒目となる。 2バルコニーから室内を見る。歳月を経て飴色になった木部が美しい。ソファとラグは最近購入したものだが、その他の家具や照明は以前の家から愛用していたものを使っている。 3キッチンからの眺め。奥さんは「人が集えるリビングがいいなと思っていたので、実現して嬉しいです」と話す。 4柱で遊ぶ子どもたち。 5窓からの光が入る階段室。3小井田設計室に入って感動したのが、小井田さんが設計する空間の心地よさ。それは数字だけではわからないもので、スケッチを描いたり、図面を書いたり、実際に空間に身を置く中で、自分の中に蓄積されていくんだと思います」と話す。7年間の暮らしが刻まれ、味わいを増した長野さんの家。その家で、住まい手・設計者・施工者が笑顔で語り合う姿は、小井田康和さんの設計が生き続け次世代へと受け継がれていることを物語っていた。長野さんの家の設計を担当したのは、小井田さんの愛弟子であり「渡辺さんの家」の現場担当者も務めた宮嶋大輔さん。宮嶋さんは「施工は亀津建築さんにお願いしました。私と亀津さん兄弟は年齢が近いこともあって、コミュニケーションもとりやすく、安心してお願いできます」と話す。長野さんの家の特徴は、「フリーハンド:小井田設計室」らしい、2階リビングの開放感だ。ご主人は「長年暮らしていても、階段を上がってきた瞬間に見える景色に、はっとします」という。奥さんも「家族にとってもお客さまにとっても、居心地いいリビングが暮らしの中心です」と微笑む。夫妻が住んでから納得したのが、空間を立体的にとらえた設計だという。「1階の天井高は2130ミリ。圧迫感を心配していましたが、暮らしてみるとこれが絶妙なんです」(ご主人)。天井高については、亀津建築も最初に図面を見て驚いたという。「低すぎると思ったけれど、出来上がったらなるほどと唸りました。」(薫さん)。宮嶋さんは「僕がフリーハンド:45

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