雑誌「チルチンびと」103号掲載 愛知県 ㈲亀津建築
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1341建築家と工務店の協働② 小井田康和+亀津建築た」と話す。それまで大工である父の技を生かした伝統的な家をつくってきた亀津建築にとって、小井田さんの洗練されたデザインとの出会いは「固定観念がぶっ壊れる」(雅さん)ことの連続だったという。その「渡辺さんの家」に感動した長野さん夫妻は、「フリーハンド:小井田設計室」に連絡をとった。当時、すでに小井田さんは亡くなっていたが、奥さまの小井田玖美子さんを中心に、お弟子さんたちが設計活動を続けていた。落ち着いた雰囲気の住宅街に建つ、長野さん一家の住まい。2012年の竣工から7年が経つ我が家について、ご主人は「だいぶ味が出てきたかなという感じですね」と笑顔で話す。家づくりを考え始めた当時、ご主人はOMソーラーハウスを検討していた。「仕事で熱の研究をしていることもあり、何軒かOMの家を見学しました。そんな時に、高校の同級生が建てた家に遊びに行って、2階リビングから見える風景の広がりや開放感に衝撃を受けたんです」。その家こそ、小井田康和さんが設計し、亀津建築が施工した「渡辺さんの家」だ。小井田さんは、東海エリアで一緒に仕事をする工務店を探す中で、前年に『チルチンびと「地域主義工務店」の会』に入会した亀津建築に声をかけたのだ。当時の亀津建築は、父が立ち上げた工務店を亀津雅さん・薫さん兄弟が引き継ぐにあたり、新たな方向性を探っていた。『「地域主義工務店」の会』入会も、その一環だった。設計を担当する雅さんは「入会後間もなく小井田さんの設計に触れ、多くのことを学ばせてもらいまし2

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