雑誌「チルチンびと」別冊45号掲載 ㈱エコ建築考房
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柱や洗面台には、こんな模様が。「大工さ んが拵えてくれたんです」と奥さん。 右/北側の和室には藁床の畳を使用。香りもいい。壁 は漆喰、屋根の勾配をそのまま生かした板張り天井。  左/新居の計画中に颯太くんを妊娠したことがわか り、将来のため納戸だった場所を子ども室に変更。 左/本棚は夫婦が蒐集している漫画 単行本の収納用に要望。子どもたち が遊ぶときはこのファミリールーム で。キッチンからも気配がわかる。 下/通りすがりに、ついつい立ち読 み。それもまた楽しい。 ルに使う案になりました」と謙遜する が、細長い家を広く住む工夫を凝らし ている。その一つが廊下の活用だ。 K邸はリビングなどのある南側がパ ブリック・ゾーン、寝室などのある北 側がプライベート・ゾーンに分かれ、 ファミリールームで両者を結んでい る。ここをオープンスペースにして廊 下を部屋の一部に取り込んだ。廊下の 壁に本棚を造り付け、ファミリールー ムにはベンチを置いた。ここは家族の 読書コーナーにもなっている。室内の 見通しもよくなった。 また、間仕切りを減らして家全体が 一つにつながるつくりになっていて、 これも広く住む工夫だが、前庭、中庭、 坪庭と三つの庭を置くことで空間的な 変化と広がりを加えた。夫婦も暮らし の中で家の細長さを意識したり不便を 感じたりしたことはないそうだ。 入居して数カ月。夫婦は同社の定番 アイテムに早くも愛着を抱いている。 うづくりの床は、夫婦とも「気持ちよ くて」素足の生活。モダンなデザイン に惹かれた障子には、「これを閉める だけで冬の暖かさが違います」と声を 揃える。漆喰壁はご主人の要望だが、 「日の差し加減で壁に陰影ができて、 見ていて楽しい」と奥さんもお気に入 り。我が家への思いを語る夫婦の話題 は尽きない。

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