雑誌「チルチンびと」64号掲載 愛知県 ㈱エコ建築考房
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5ページ 性に加え、「食事もできて、ごろごろもできる」と茂樹さん。「ここから一歩も動かない人もいるよね」と絢子さんも笑う。飫肥杉の床に腰を下ろすと、目前に広いテラスと芝生の庭。まだ細い生け垣や雑木を眺めていると、すっと風が通り抜け、なるほど居心地がいい。  そして壁際には、先述のクッキングストーブが。ただ少し変わっているのは、隣にテレビ台が造作されていることだ。「団らんをするときに、同じ方向を見られるように」と田中さん。「薪ストーブとテレビが別の方向にあると、視線があっちこっちに行って落ち着かなくなってしまうんです」と話す。 同じ火を見るというコミュニケーションの要素も、薪ストーブの重要な役割と考える田中さん。集う人の視線の方向が自然と一致するように、配置を考慮するという。  また、炉台を大谷石とする一方、背面の壁は熱対策を施した上で周囲と同じ漆喰仕上げに(詳細は37頁)。石や鉄板を張ると、どうしてもストーブまわりが重厚になりがちだが、軽やかにすっきり見せたのも特徴だ。 連帯の家づくり  この家を施工したのは、地域に根ざし、自然素材の家づくりを続けてきたエコ建築考房。『チルチンびと「地域主義工務店」の会』の会社員

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