雑誌「チルチンびと」別冊51号掲載 愛知県 ㈱エコ建築考房
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60んだプランを提案している。徹底した素材へのこだわりが    健やかな住まいを実現する 自然素材へのこだわりも、同社の家づくりの特徴の一つ。柱や梁、床、壁などに東濃ひのきや天竜杉を始めとする国産の無垢材を用い、ベニヤや集成材はいっさい使わない。さらに構造材に関しては乾燥方法にもこだわり、杉は天然乾燥、檜は低温乾燥の材を使う。「高温乾燥したものと比べると、色や香りの違いは歴然。より質のいい木材を使うことが、長もちする家につながります」(五香さん)。さらに、壁には漆喰や珪藻土を使い、壁の中に入れる断熱材も自然素材のものを採用する。「見えない部分にも自然素材を使うことで、住む人が健やかに暮らせる住まいになるのです」。 こうした素材選びは、モデルハウスだけでなく、実際に建てる家でも徹底している。現在、同社では、自然素材で建てた家のよさを「見える化」しようと、近畿大学との産学連携による研究も行っている。「本社ショールームの敷地内に実験棟を建てて室内空気質を計測しています。こうした取り組みにより、私たちが日々実感している木の家の健やかさが、より多くの人に伝わればと思っています」(五香さん)。 こうした同社の家づくりは地域に定着しつつあり、ファンも増えているという。営業マンがいないため、モデルハウスでは女性スタッフがお客さまを案内するが、スタッフの中には同社で家を建てた〝建主〞が何人もいるのだそうだ。「わが社のつくる家のよさを、自信をもってお伝えできるスタッフが揃っています」と胸を張る五香さん。その言葉に、住まい手と一体となった家づくりを行う同社の姿勢が表れていた。右/玄関ホールを入ると、天然乾燥した木材のよい香りに包まれる。リビング・ダイビング、そして和室が目の前に広がる。 左/ダイニングの奥には和室が続く。左/スロップシンクを設けた家事室。トップライトで採光も十分。 上/琉球畳を敷いた和室。客間として、またリビングの延長としても使うことができる。

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