雑誌「チルチンびと」別冊43号掲載 愛知県 ㈱エコ建築考房
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49さをもたらしてくれるのだそうだ。 さらに言うと、無垢材をふんだんに使っているのもT邸の自慢だ。真壁で檜の構造材は現し。天井はすべて杉板張りで、床は〝うづくり〞といって木の年輪を浮き上がらせる手の込んだ仕上げだ。これだけ使っても木の圧迫感がない。見せ方がうまいのだろう。 T邸は入居1年を過ぎたところだ。結婚を機に夫婦は子ども二人を想定して2階建てを計画。ご主人は「化学製品を使わず、無垢の木たっぷり」の家を要望した。自身がアトピー体質でもあり健康に留意した素材にしたかったのと、「木が好き」なのが理由だ。実はご主人の実家が大きな木造の家。奥さんは「木ももちろんだけど、障子や柱や空気も含めて住み慣れた実家の感じが好きなのよね」とご主人の思いをフォローし、「私もダンナの実家、好きですね」と話す。 そんなふうに住まいの好みもぴったり合う夫婦が家づくりを託したのは、同じ愛知県内のエコ建築考房だ。ご主人のお母さんが「自然素材で健康にいい住宅を建てている」と同社を見つけてきて以来、ご主人のお姉さん、お兄さん、お姉さんの嫁ぎ先の実家が次々に同社で家を建てたというから信頼の厚さがうかがえる。設計も一貫して同社の五ご香こう祐輔さんが担当。そして兄姉たちの家づくりを見てきたご主人は、北側から見たダイニングとリビングはまさに無垢の木三昧。そして見えない部分にも木へのこだわりが。漆喰壁の下地にボードではなく木小舞を使っているのだ。

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