エコ建築考房「健やかに暮らす」住まいの家
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039担当大工が加工することで国産材を無駄なく使い切る 長良工場が建つのは、岐阜県岐阜市の百とどがみね々ヶ峰に連なる里山。工場の前には長良川に注ぐ清流が流れ、春は桜、秋には紅葉が美しいこの場所に、エコ建築考房が工場を建設したのは2010年のこと。自社工場を建てた動機について、社長の喜多茂樹さんは「それまでは造作材の制作を専門業者に依頼していましたが、どうしても品質にバラつきが出てしまう。そこで、自社で材料を仕入れ大工自らが責任を持って加工することで、質を向上したいと考えたのです」と振り返る。 長良工場では、専属の大工が担当する家の敷居、鴨居、階段といった造作材の他、屋根材の加工を行う。「自社で加工を行うことで、材を無駄にせずにすむようになりました。端材は幅木などに活用した後、鍋敷きや積み木などに加工します。それでも使い切れない材については、自社ショールームに併設している端材小屋で地域の方に提供したり、薪ストーブの店『暖々』で薪として使います」(喜多社長)。住まい手とつくり手が一体となる家づくりを 工場長の佐藤治雄さんは「自社で加工場を持つことで、お客様のご依頼に応え大工自ら加工する自社工場で家づくりに匠の技を生かしきる国産材を使った家づくりを進める中で、2010年に自社の加工場を岐阜県岐阜市長良に建設。大工自らが担当する家の造作材を加工することで、一棟一棟責任を持って家づくりを行っている。文=上野裕子エコ建築考房の家づくり1右/柱の飾り加工は、担当大工が加工。 左/伝統工法の木小舞仕様の壁の内側。

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