エコ建築考房「健やかに暮らす」住まいの家
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022落ち着いた色にしたい」との要望を踏まえ、淡い黄土色を選択。建具も壁に近い色調でそろえた。結果、シンプルでシックに仕上がったN邸では、リビングの水屋箪笥をはじめ、年代も表情も異なる和家具たちが、気の合う仲間のように調和しつつ新居になじんでいる。 薪ストーブを玄関土間に置くプランは、五香さんの提案だという。実は、奥さんが新居に望んだもう一つのテーマが「近所の人や友だちを招く家」。夫婦は共働きで、これまで 戸建て住まいで不便を感じていなかった奥さんだが、広い庭が欲しかった。「庭で野菜を育てながら暮らしたくなってね。家族の思い出が詰まった家を捨ててほかに移っていいものかとずいぶん悩んだけれど、後悔するより前に進もうと、土地探しを決意しました」。そして、ご主人も「ここなら」と納得の場所が見つかり、家づくりに踏み切ったという。 奥さんが望みを託した先は、一宮市のエコ建築考房だ。10年ほど前、同社の完成住宅見学会に出かけて家の雰囲気も社員の人柄も気に入り、ずっと心に留めていた。設計を担当した同社の五ご香こう祐輔さんも当時からの顔見知りだ。土地探しの折々に相談に乗ってくれた経緯もあり、「五香さんは信頼できるとわかっていたので、デザインや間取りは全部お任せしました」と奥さん。 それに応えて五香さんは、「弊社は家具などの造作も得意ですが、今回はあえてつくり込まず、和家具が自然になじむ色やデザインを心がけました」と設計意図を説明する。同社は白壁が標準仕様だが、ご主人の「自分たちは50代を迎えたので、薪ストーブが玄関向きなのは、お客さんにまず生火で暖まってもらおうとの計らい。もちろんリビングも十分に暖かい。メニューはタンドリーチキン、スープ、ピザ。「薪ストーブ料理もいろいろ挑戦したいですね」と奥さん。近所付き合いがしやすい家

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