エコ建築考房「健やかに暮らす」住まいの家
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018 通常のモデルハウスには広くて豪華な内装のものが多いが、「神宮の家」は延床面積145㎡と4人家族の住まいとして現実的なサイズで、内装も同社の標準仕様を採用している。これは「来場したお客さまに実際の暮らしをイメージしていただくために、モデルハウスと自社のつくる家とのギャップをなくそう」という同社の考え方に基づくもの。「雑木林のような庭とリビングのつながり、うづくり仕上げの床や漆喰塗りの風合い、そして音や温度といった空間全体の心地よさを、これから建てるご自宅にいるような気分で体感していただくことを目指しました」(五香さん)。 さらに「神宮の家」では、地域の作家やショップが集うイベント「チルチンびとマーケット」を定期的に開催している。こだわりのモノや食に出会え、地域の人々が自然に交流できる場として好評だという。「家づくりに興味のある人をはじめ、幅広い地域の方のお越しをお待ちしています」(五香さん)。等身大のモデルハウスで実際の暮らしをイメージ日本の山を守るために国産材にこだわり、人の健康を守るために自然素材にこだわった家づくりを始めて20年。そのことをブレることなく続けてきたことが信頼を得、支持を広げているのだと思います。そしてリーダー設計者・田中敏溥さんよりの髙間さんのあったかい笑顔と信念、スタッフの皆さんの明るさと果敢さが、家づくりを考えている方々に安心を与えているのだと思います。たとえ有名な演奏者を集めても、オーケストラはよい音楽を奏でることはできません。指揮者とそれぞれの演奏者の気持ちが一つになったとき、美しいシンフォニーが生まれます。これから、エコ建築考房交響楽団が、一宮・名古屋を中心とした各地で、愛と勇気に溢れた家づくり演奏会をたくさん開いていかれることを願っています。右:トップライトからの光が階段室、そして1階を明るく照らす。書斎は建具の開閉で吹き抜けとつながるようになっている。左:2階の書斎。天井の木目が美しい。2階寝室では壁の一部をあえて仕上げず、壁のつくりがわかるようにしている。合板を使わず「木摺り」という細い板を間隔を空けて打ち付け、漆喰を塗って下地としている。木摺りに漆喰が入り込んで固まることで、強い下地ができる。新建材と自然素材それぞれでつくった、密閉空間のサンプルにパンを入れている。新建材のほうはパンにカビが生えているが、自然素材ではパンはきれいなまま。

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