エコ建築考房「健やかに暮らす」住まいの家
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012化粧塩ビシート合板単板接着剤化粧塩ビシート接着剤裏紙突板単板接着剤合板壁・天井家の中で木目が見えたら、あるいは塗り壁であれば„自然素材“といってよいものでしょうか? 壁や床など、家の材料の裏側がどうなっているのか、どのような成分が使われているか、解説します。構造材国産材無垢の厚板の側面に実(さね)加工を施して張る。無垢材は吸放湿による伸縮で隙間や段差の発生が心配されることもあるが、材の乾燥方法や施工時期・施工方法により緩和できる。小さな傷や凹みも補修可能。杉や檜、松などの針葉樹が多いが、ケヤキや桜、ナラ、クリなど広葉樹もある。プリント合板かつては合板に直接印刷していたが、最近は模様を印刷した化粧シート(色調や繊細な表現が可能)を接着剤で合板に貼り合わせるラミネート方式が主流。調湿性能や防湿性能、抗菌性能などの機能性シートやホルマリンを分解する樹脂などを使ったプリント合板も。天然木化粧合板0.3〜0.6㎜ほどに薄くスライスした木材(突板)を接着剤で貼り合わせた合板。表面の仕上げは天然木そのものであるため、無垢材と見分けることは難しい。無塗装品と、すでに塗装や樹脂加工をしてある製品がある。「突板合板」「練り付け合板」とも呼ばれる。塩ビクロス硬質な塩化ビニル樹脂に、柔軟性をもたせる可塑剤を加え、安定剤、発泡剤、難燃剤、着色剤、防カビ材などを加えた樹脂シートに印刷などを施したもの。人体に有害と指摘される塩ビモノマーは、製造過程でほぼ揮発し、製品には残留しないと業界団体は説明している。国産材杉や檜または松、ヒバが主流。年輪が細かく密な材ほど強度が高い。乾燥は天然乾燥や高温乾燥、低温乾燥、燻煙乾燥などの方法がある。薬剤を湿潤させ保存処理された材もあるので、トレーサビリティが明確なものを。建築基準法では一部、耐久性の高い樹種には防腐・防蟻処理を施さなくともよいとされてるが、あくまで芯材を使用した場合であることに留意したい。接着剤使用 接着剤使用 無垢材 外材木材は樹種や産地が違えば、強度や耐久性が大きく異なる。北欧などの寒冷地産には、高温多湿な日本では使用を避けたほうがよいものも。現場で塗布される防腐・防蟻処理剤の有効期間は現在5年間。構造材だけでなく間柱や胴縁など下地材も含めて、すべてを5年に1度薬剤散布するのは現実的ではない。構造材の樹種や品質は住宅の寿命を決定する。無垢材 無垢材

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