雑誌「チルチンびと」90号掲載 岐阜県 ㈱エコ建築考房
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130谷口邸の間取りの特徴は、1階と2階の対比だ。1階には広々としたLDK、水まわり、寝室がそろい、生活のすべてをまかなえる。対照的に2階は、3畳の子ども室が三つと同じく3畳の書斎スペースのみで、とにかくコンパクト。平屋建てに秘密基地をのせたような印象を受ける。LDKは吹き抜けで、美しい曲線を描く杉板の天井が、空間全体をやわらかく演出している。LDKにある土間では、薪ストーブが存在感を放つ。 この家に暮らすのは、清人さん・弥生さん夫妻と、9歳・7歳・5歳の3兄弟。転勤が多い清人さんの仕事柄、さまざまな土地でマンション住まいをしてきた一家は、「根っこになる場所が欲しい」と、弥生さんの実家の土地に家を建てることに。「次男がアトピー体質なので、体にやさしい自然素材がいいと思いました。そして何より、家族が集いやすい家にしたかった」と語る夫妻が家づくりを託したのは、住まいづくりのイベントで出会ったエコ建築考房だった。「住み手の健康を願うからこその自然素材へのこだわりや、社員の皆さんが会社の方針を誇りに思って楽しく家づくりをしていること庭に面してつくった大容量の薪棚。写真奥は駐車場になっていて、どちらからでも薪を出し入れできるので便利。右/3兄弟がのびのびと遊べる広い庭。下/太鼓梁には、空間を引き締めて落ち着きを感じさせる役割もある。床はすべて「うづくり」。表面をこすって木目を浮かび上がらせており、足触りがよい。ゆったりとした1階とあえて小さくつくった2階。自然素材と薪ストーブの組み合わせが生み出す心地よさ。夫妻と元気な3兄弟が暮らす谷口邸には家族の暮らしに寄り添う独自の工夫が詰まっている。 写真=畑 耕 文=林 菜穂子 3兄弟の健やかな成長を支える工夫が詰まった家岐阜県岐阜市 ・ 谷口邸愛知県 エコ建築考房

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