雑誌「チルチンびと」87号掲載 愛知県 ㈱エコ建築考房
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奥に外から見えない物干しスペースを設置している。壁は漆喰で大壁に。柱や梁の一部を見せて空間のアクセントにし、味わい深く仕上げた。ふだんダイニングテーブルで勉強するお子さんたちのランドセルは、家事室に置いている。「家事室があるおかげで、雑多な学用品をしまえ、来客時には扉を閉めてすっきりできます」と奥さん。 またAさん夫婦は当初、もっと広い家を希望していたが、住んでみてちょうどいい大きさだと実感したそう。五香さんは「部屋が狭くなったわけでなく、廊下をなくして部屋は広くつくっています。間取りをできるだけシンプルにして天井の高さを抑え、和室の上部に抜けをつくったり、本棚の高さを抑えたりすることで空間に広がりが感じられるように工夫しました」と話す。視線が気になるところは閉じ、広がるところは開いて景色を楽しめるように配慮した。 通風と採光も考えられており、夏は日差しを遮り、冬は取り込める深さの軒を設けるという昔ながらの考えを設計に取り入れていることも、五香さんのこだわりだ。「居心地のよいリビングに、家族が自然に集まります。掃除がしやすいことなど、住んでわかった魅力もありますね」と奥さん。その笑顔から豊かに暮らしている様子が伝わってきた。ウッドデッキへとつながるリビングの窓。障子は窓との間に空気層ができるので断熱性が高く、空間のアクセントにもなるところが魅力。上/視線が広がるリビングは大きく窓を開けた。窓は障子もすべて引き込め、フルオープンになる。 下/北側は窓を小さくし、坪庭を設けるなどして視線を遮っている。160

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