432138飲んでゆっくりするのが楽しいんです」。モモさんが薪ストーブの掃除をし、最初は興味が薄かった奨さんも、今では焚き付けなどを積極的にするそうだ。するため、床を玄関ホールよりも下げた。 「1階にしてもらってよかった。モモさんが2階で仕事をしていても見えますし」と奨さん。2階のオープンスペースに設けた書斎からは家族室が見え、ストリップ階段を通してDJコーナーの気配も感じられる。「リビングで娘を遊ばせておいて仕事ができるのは助かりますね。娘からも私が見えるので、何かあると呼んでくれます」とモモさん。お互いが見え、しかも落下の危険がない最小限の隙間を書斎の壁に設けられるよう、井田さんが緻密に計算した結果だ。各所の納まりを考え、スキップフロアとなった。浮造りの床の上で 子どもを授かったことを機に家づくりを考え始めたYさん夫妻。住宅展示場で出会ったのがエコ建築考房のモデルハウスだ。「他のハウスメーカーの家はいかにも豪華な感じで、これは趣味じゃないねと」(モモさん)。「エコさんの家はシンプルで自然な感じでした。自然素材を使っているということで、子どもを育てるならそういう家がいいかなと。それに、においがよかったんです」(奨さん)。取材・文=青木 遥 昨年5月に完成し、今では娘さんは裸足で元気に家の中を動く。「娘が走り回っても、マンションのときのようにいらいらしない。それは本当に幸せですね。娘によく家族3人で走らされるんです」(モモさん)。エコ建築考房の家はすべて杉の浮う造づくりの床だ。夫妻も裸足でいることが多い。「暖かいです。それに、凹凸が娘の五感を刺激していいのではないかと言われることもあります。実感はまだないですが、親にとっても、いいことがあるのかもしれませんね」(奨さん)。 リビングの座卓も、床の木を身近に感じられる場所だ。井田さんが「畳の部屋にいる人とも目線が合うように」と座卓を提案した。「テーブルを置くより広く感じられる。昔ながらの、床に座る生活もいいかなと」とモモさん。冬には、薪ストーブの前にあるこの座卓の傍らがモモさんのお気に入りの場所だ。「午後から出勤という日、娘を保育園に送り、帰ってきて片づけをした後、一人でコーヒーを165
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