雑誌「チルチンびと」別冊45号掲載 岐阜県 ㈲亀津建築
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115近所の子どもたちは濡れ縁から登場。春秋は窓から自然の風を取り込む。窓辺の床のガラリは床下放熱器の熱を室内に導くためのもの。子どもたちが大好きな家「うちはゲームとかないんですけど、近所の子どもたちがよく遊びに来るんですよ」と、キッチンで洗い物をしながら奥さんが笑顔で話す。取材でH邸を訪ねたのは5月中旬のこと。爽やかな日差しのもと、開け放した濡れ縁の掃き出し窓から近所の子どもたちが2、3人入ってきたかと思うと、小学校に入学したばかりのHさんの長男、3歳の長女と一緒に、元気に遊び始めた。「いろんな友だちが遊びに来ます。間仕切りが少ない家なので、走りまわれるのが楽しいんでしょうね。自然素材の気持ちよさを感じているのかも……」と奥さんが目を細める。なるほど、家の中はさながら大きなワンルームといったつくりになっていて、1階と2階を行ったり来たりする子どもたちの姿が、キッチンからでもよく見える。広びろとしたリビング・ダイニングを1階に設け、その上部を吹き抜けとすることで、個室や水まわりを除いて1階から階段、2階までをひとつながりの空間としているのだ。仕上げには東濃ひのきや漆喰を用い、清々しい室内に窓から入る自然の風が心地よい。 Hさん夫妻、特に奥さんは結婚してからずっと家づくりに憧れていて、土

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